― 図面・強度・計算でつまずかないために ―
はじめに|機械設計は「何から覚えればいいかわからない」
機械設計を始めたばかりの頃、こんな悩みはありませんか?
- 図面を描けと言われたが、どこまで考えれば良いのか分からない
- 強度計算をするよう言われたが、式の意味が理解できていない
- 上司や先輩のレビューで、なぜNGなのか分からず修正している
これは 能力不足ではなく「設計の全体像を知らないだけ」 であることがほとんどです。
本記事では、
機械設計初級者が「最初に押さえるべきポイント」 を、実務目線で整理します。
1. 機械設計とは何をする仕事か?
機械設計は、単に図面を描く仕事ではありません。
実務では次のことを同時に考えています。
- 壊れないか(強度)
- 組み立てられるか(製造性)
- コストは適正か
- 誰が見ても分かる図面か
つまり機械設計とは、
「形を決める仕事」ではなく
「トラブルが起きないように先回りする仕事」
です。
2. 初級者が必ずつまずく3つのポイント
① 図面を描けば終わりだと思ってしまう
図面は 設計の結果 であり、設計そのものではありません。
図面の裏には、
- なぜこの寸法なのか
- なぜこの公差なのか
- なぜこの材料なのか
という 設計意図 が必ずあります。
👉 「理由を説明できない寸法」は危険です。
② 強度計算が「作業」になっている
初級者に多いのが、
- 過去のExcelをコピー
- 数値を入れてOKなら終了
という状態です。
しかし本来、強度計算は
- どんな力がかかるのか
- 最大はいつか
- 同時に作用していないか
を 考えるための道具 です。
③ 個別にOKなのに壊れる理由が分からない
よくあるケース:
- 曲げ応力 → OK
- ねじり応力 → OK
それでも 軸が折れる
原因は、
👉 応力は「同時に作用する」から
実務では
合成応力(ミーゼス応力)で評価する
という考え方が必須になります。
3. 初級者がまず覚えるべき設計の基本項目
① 図面の基本
- 基準寸法
- 公差(H7, h6 など)
- はめあい(すきまばめ・しまりばめ)
② 強度計算の基本
- 曲げ応力
- ねじり応力
- 合成応力(ミーゼス)
③ 締結の基本
- ボルトの強度区分(8.8, 10.9 など)
- 締付トルクと軸力
- ゆるみ対策
👉 これらは 設計現場の共通言語 です。
4. 初級者ほど「一覧表・ツール」を使うべき理由
設計が早い人ほど、
- すべてを暗記していない
- 必要な資料を すぐ引ける
という特徴があります。
おすすめの使い方
- ねじ寸法 → 一覧表PDF
- 強度計算 → Excel自動計算
- レビュー時 → 設計根拠資料を添付
👉 「調べる時間」より「考える時間」を増やす ことが重要です。
5. これから学ぶ順番(ロードマップ)
初級者におすすめの学習順です。
- 図面の読み方・描き方
- ねじ・ボルト・締結の基礎
- 曲げ・ねじりの強度計算
- 合成応力・疲労設計
- 設計変更・レビューの考え方
すべて一度に理解する必要はありません。
「現場で使う → 理解が深まる」 を繰り返しましょう。
まとめ|機械設計は「考え方」を身につける仕事
- 初級者がつまずくのは当たり前
- 大切なのは なぜ?を放置しないこと
- 設計は「経験+仕組み」で上達する
このブログでは、
- 初級者でも理解できる解説
- 現場でそのまま使える資料
- 設計ミスを防ぐ考え方
を継続的に発信しています。
👉 「設計者のためのノート」 を活用しながら、
一歩ずつ確実にレベルアップしていきましょう。


コメント