機械図面や製造現場でよく見かける 「面粗さ記号」。
しかし、Ra・Rz などの値や、▽、▽▽ の意味がよくわからない…
という人は多いのではないでしょうか?
この記事では、面粗さ記号の基本から、仕上げ方法との違い、
図面の書き方、実務での注意点まで わかりやすく体系的に 解説します。
1. 面粗さとは?(なぜ必要なのか)
面粗さとは、加工した表面の「デコボコの大きさ」を表す指標です。
- 表面が粗い → 摩擦増大・摩耗が早い
- 表面が滑らか → 回転部の性能向上・気密性向上
機械設計では、耐久性・摩擦・機能性 を保証するために
面粗さを指定することが重要です。
2. 面粗さ記号の基本(▽, ┴, ✓ の意味)
図面では、次のような記号で加工方法や仕上げを示します。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| ▽(三角) | 加工が必要(機械加工せよ) |
| ▽▽ | さらに厳しい加工が必要(研削など) |
| ▽に水平線(┴) | 任意の加工は禁止/素材面のまま |
| ✓(チェック記号) | 特殊な仕上げまたは指示表を参照 |
※ 現代のJIS(JIS B 0031)では
三角形の数ではなく“数値で指定”する方法が主流
ですが、現場ではいまでも三角記号が広く使われています。
3. 面粗さの代表値「Ra」と「Rz」の違い
✔ Ra(算術平均粗さ)
もっとも一般的。
デコボコの平均的な高さを表す。
例:Ra 3.2 → 普通の切削加工レベル
例:Ra 1.6 → 精密切削・旋盤仕上げ
例:Ra 0.4 → 研削レベル
✔ Rz(最大高さ粗さ)
**デコボコの最大高さ(山+谷)**を測る。
Ra よりも厳しい基準になりやすい。
例:Rz 10 → 切削加工に多い
例:Rz 2.5 → 研削レベル
4. 面粗さ記号の読み方(図面の表記例)
図面には次のように書かれます。
■ Ra 指定
Ra 3.2
■ Rz 指定
Rz 6.3
■ 古い図面や現場で使われる三角記号
▽
▽▽
▽▽▽
一般的な対応は以下の通り:
| 三角記号 | 目安の面粗さ | 作業 |
|---|---|---|
| ▽ | Ra 6.3 | 旋盤・フライス切削 |
| ▽▽ | Ra 3.2 | 切削精度を上げる |
| ▽▽▽ | Ra 1.6 | 高精度切削~研削前加工 |
| ▽▽▽▽ | Ra 0.8 以下 | 研削・ラップ |
※ 正式にはJISの対応表で確認が必要。
5. 面粗さ記号のオプション(方向性・加工方法の指示)
✔ 加工方向を指定する記号
面粗さ記号の下に方向を示す線が入る場合があります。
- // :一定方向
- X:クロス
- M:多方向(どの方向でもOK)
✔ 加工方法の禁止
┴
素材のままで加工禁止。
✔ 「o」マーク(機械加工禁止)
鍛造面・鋳造面のまま使用を許可する。
6. 実務でよく使う面粗さの目安
| 用途 | 推奨面粗さ |
|---|---|
| 一般切削部品 | Ra 3.2 |
| 軸受の嵌合部 | Ra 0.8〜1.6 |
| シール部・摺動面 | Ra 0.2〜0.8 |
| 研削仕上げ | Ra 0.4 以下 |
| 鋳造面 | Ra 12.5〜50 |
7. 設計で指定する際の注意点
✔ 面粗さは厳しくするほどコストが上がる
- Ra 3.2 → 標準加工
- Ra 0.8 → 時間増
- Ra 0.4 → 研削必須
- Ra 0.2 → 高精度研削・ラップ
→ 必要以上に厳しい指定はコストUPにつながる
✔ 機能面に必要な箇所だけ指定する
全ての面に Ra0.8 を指定すると過剰設計。
✔ 穴の面粗さは測定が難しい
内径側は加工限界にも注意。
✔ 摺動面やOリング溝は注意
粗すぎると摩耗・漏れの原因に。
8. 面粗さと仕上げ方法の対応表(便利)
| 面粗さ (Ra) | 相当する加工方法 |
|---|---|
| 12.5 | 荒切削・鋳造面 |
| 6.3 | 普通切削 |
| 3.2 | 仕上げ切削 |
| 1.6 | 精密切削・研削前 |
| 0.8 | 研削 |
| 0.4 | 精密研削 |
| 0.2 | ラップ・ホーニング |
9. まとめ
- 面粗さは表面のデコボコの大きさを表す指標
- Ra(平均)、Rz(最大高さ)がよく使われる
- ▽記号は旧来表記だが現場ではまだ一般的
- 面粗さは厳しいほどコストが上がる
- 用途に応じて適正な粗さを指定することが重要


コメント