イタリアのミラノで、レオナルドが部屋一面にかいた天井画と壁画を見ました。そこには、枝を茂らせ伸びゆく樹木がえがかれていました。そして、おどろくべきことに、その木の「根っこ」が力強くかかれていたのです。
目に見える美しい「花」をかく人はいても、土の中にあって見えない「根っこ」をかく人はいないでしょう。しかし彼は、「目に見えるもの」が「目に見えないもの」によって、できあがっていることに気づいていました。両方かいてこそ、レオナルドにとって「木」の絵は完成するのでした。
今でも、忘れらない光景です。
私の大好きなレオナルドの言葉があります。
“大きな悩みもない中では、どんな才能も完成させることはできない” と。
大きな悩みが、自分の才能を大きく開花させるのです。目に見えない努力が「根っこ」となって、夢という「花」を咲かせるのです。
-2015年6月1日付「少年少女きぼう新聞」より-
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